「This War of Mine」悲惨な戦争を無力な市民の視点で描く。最低限の生活を目指すPCゲーム。

無慈悲で悲惨な戦争を兵士目線ではなく市民目線で描くPCゲーム。日中はスナイパーから隠れて夜になったら外に出て物資を集める等、生きていくために必要最低限の生活を目指します。売り上げの一部が紛争地帯の子供を助ける慈善事業に寄付されるなど戦争というものにリアルな視線を向けたPCゲームです。

まずはこのおすすめPCゲームの公式動画をご覧ください!

今回紹介するPCゲームは「This War of Mine」。戦争を市民の視点で描いた作品だニャ。
市民視点ってどんな感じなん?
よくある戦争ゲームみたいに兵器をもってして敵軍と戦ったりするのではなく、非力な市民が生き残るために奮闘するゲームなんだニャ。

This War of Mineとはどんな戦争ゲーム?

『This War of Mine』は、11 bit studios制作の戦争を題材としたシミュレーションゲームです。

一般的に戦争を題材としたゲームというと、

FPSシューターのように銃やドローンで武装したり、

『三國無双』シリーズのように英雄となり力を振るったり、

または為政者となり国同士の争いをしたりするゲームを想像しがちですが、

『This War of Mine』は違います。

『This War of Mine』でプレイヤーが操作するのは、

架空の都市での戦争に巻き込まれた一般市民たち。

無力な市民たちが主人公となり、ただの民間人としての視点で過酷な戦争をいかに生き抜くか

という点に焦点が当てられたのが、『This War of Mine』というゲームです。

ゲームのキャッチコピーは、「IN WAR, NOT EVERYONE IS A SOLDIER」。

キャッチコピーの示すように、戦争においては、

誰もが兵士というわけではないですが、誰もが戦っています。

『This War of Mine』が描くのは、今までのゲームでは

「幸福度」パラメーターのみで表され打ち捨てられがちな、一般市民の生存戦です。

目指すのは最低限の生活

ゲームの舞台は、Pogorenという実在しない都市です。

その街は戦場となっており、

不用意に昼間の街の通りを歩くと敵軍のスナイパーに撃ち抜かれます。

そのため、市民たちは建物の中に隠れ住んでいる……

というのが、『This War of Mine』の舞台背景です。

ゲームを開始すると、爆撃を受けたのか内装も外装も壊れたマンションの中にいる、

3人の市民を操作することになります。

この市民はランダムで選ばれるのですが、それぞれ特性が異なり、

たとえば、隠密行動に秀でていたり、料理が得意だったり、

あるいは他の市民との交渉が得意だったりします。

外を出歩けない昼間の内にまずすることは、拠点となるマンションの環境の整備です。

始めは寝るためのベッドすらなく、爆撃の影響なのか、

室内には多数の瓦礫が転がっているありさまです。

プレイヤーは市民の長所を考慮して指示を出し、破壊された屋内を片付け、

壊れた家具などから資材をかき集め、

人間が生活するための必要最低限の環境を整えることになります。

まず目指すのが最低限の環境である以上、

ゲーム開始時の状態は雨露がしのげるだけの最低限未満です。

室内の環境を放っておけば、生活がたちいかなくなるどころか悪化していき、

想像通りのありふれた結末を迎えることになります。

たとえば、スタート時期が冬に設定されていたならば、

ストーブにくべるための木材はすぐに枯渇しますし、

何とか他の手段で一時的に気温をしのげても、

雨水はすぐに氷になってしまうため飲料水の確保のためにも火は必要になるのです。

気温と水を確保して、人間が数日だけ暮らしていけるようになったころには食料が尽きて……、

というのが、『This War of Mine』でプレイヤーが経験するサバイバルです。

プレイヤーのマンションに他の市民グループが救援を求めてきたり、

あるいは、マンションに受け入れを希望する市民が現れるかもしれませんが、

何も考えずそれらを受け入れ続けていれば食糧難になってすぐに全滅です。

そんなとき、序盤の食料の確保におすすめなのが「ネズミ捕り」です。

ネズミ捕りがあれば、貴重な肉が食べられる!

『This War of Mine』はどこまでも辛いゲームです。

ネズミが貴重な肉・・・厳しいなぁ・・・

夜に行われるスカベンジ

当然ながらマンションの中で見つかる資源は有限であり、

いつかはなくなってしまいますし、そもそも見つからない資源もあります。

そんなとき、じっと他の市民たちのグループのトレーダーが

物々交換にやってくるのを待つのも一手ですが、

スナイパーが狙えない時間帯である夜間に、

闇に紛れて外に出て物資を取りに……あるいは、盗りにいくことができます。

夜時間の物資確保のための行動は「スカベンジ」と呼ばれ、

市民の代表者一人を選んで、物資の調達に出かけることができます。

この間、他の市民たちははマンションで寝たり、護衛をしたりを選択することになります。

スカベンジを行う先は、誰もいない廃屋だったり、住人のいる民家だったりします。

急に発砲してくるような人間も少なくないため、

誰もいない廃屋の探索を行う場合に向いているのは、

バックパックの容量が大きい市民です。

しかし、いざ向かった廃屋で、男が強姦を行おうとしている現場に出くわしてしまう、

といったドラマが起こったりします。

ここで、正義感から被害者の女性を助けアサルトライフルで撃たれて死ぬリスクを冒すか、

あるいは見て見ぬふりをしてマンションの仲間たちに堅実に明日を生きる糧をもたらすか。

どちらを取るかはプレイヤー次第です。

スカベンジをしていると、非武装の友好的な市民に出会うこともあります。

当然ながら、マンションの市民たちの中には、荒事が得意な住人もいるかもしれません。

マンションの食料が尽きそうになったとき、思い浮かぶ邪念を振り払うか、

隣人のもとを武装して訪れるかを委ねられているのも、『This War of Mine』の特徴です。

DLCや新作も

『This War of Mine』は、PC向けにはsteam、GOGなどで販売されています。

また、アプリとしてiOSとAndroid、

欧米ではコンシューマー向けにPlayStation 4、Xbox Oneと、

多くのプラットフォームで販売されています。

PC版では、多少の誤字や英語のままの未訳部分があるものの日本語対応もされており、

英語が苦手な方も言語の壁を感じずに遊ぶことができます。

SteamやYoutubeなどで視聴できるゲームのトレーラーでは、

スタッフロールにスペシャルサンクスとして記載される、

9歳のころにボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争を経験した

Emir Cerimovic氏のインタビューが流れます。

『This War of Mine』の陰鬱な雰囲気が凝縮されているため、

一度視聴するとゲームの雰囲気が掴むことができます。

もし少しでも惹かれたならば自信をもっておすすめできるPCゲームです。

また、DLCとして『War Child Charity DLC』

および、『The Little Ones DLC』が発売されています。

『War Child Charity DLC』は、

ゲーム内に様々なアーティストによるストリートアートが追加され、

発見するとゲーム内ギャラリーに飾ることができるようになります。

『The Little Ones DLC』では、子供との出会いが追加され、

たとえ戦争中であっても、大人以上に笑いや遊びを必要にする彼らを

どのように守っていくかという視点が追加されます。

これらDLCは、『War Child Charity DLC』では全収益が、

『The Little Ones DLC』では購入代金の内1ドルが、

紛争で苦しむ子供を助ける支援活動を行うWar Child慈善事業に送られます。

戦時下における少数グループの生き残りを描いたPCゲームである

『This War of Mine』を制作した11 bit studiosは、

より大きな社会の生き残りをテーマとした『Frostpunk』の制作を発表しています。

『Frostpunk』では、氷河期を迎えた架空の19世紀で、

蒸気機関を発達させ生き延びようとしている社会が描かれる予定で、

『This War of Mine』を楽しめた人は要チェックです。

売り上げの一部が苦しんでる子供たちの支援になる・・・なんて素晴らしい助け合い精神・・・!
助け合う心は美しいものですね・・・
うわっ!ミラちゃんいつのまに・・・